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アスリートがセカンドキャリアで優秀なビジネスマンとして活躍できる理由

2020-05-20

アスリートが引退後にスポーツ以外の仕事に転職するのは、
苦労するイメージがあるかもしれません。
実はアスリートはビジネスの世界でも
活躍できる可能性が非常に高い人材です。
アスリートの強みがどこにあるのか、
どのようにセカンドキャリアへの第一歩を
歩みだせばいいのかをご紹介します。
アスリートのセカンドキャリア

INDEX

アスリートのセカンドキャリアの現状

アスリートのセカンドキャリア
アスリートが引退後
どのような仕事をして生計を立てているのか、
公式に調査したデータはあまりありません。
2013年に笹川スポーツ財団が
「オリンピアンのキャリアに関する実態調査」を
発表しましたが、
対象が「オリンピック出場経験のあるトップアスリートであること」
「回答者の半数程度が60代以上」であり、
現役アスリートに関して
一般化できるデータとは言い難いです。

このように「アスリートのセカンドキャリアの
実態がよくわからない状況」こそが、
アスリート引退後の苦境を表しているのかもしれません。
引退後の彼ら彼女らの状況を把握し
継続的にサポートする体制が不十分であるとも言えます。

少ない実例やデータから聞こえてくるのは
以下のようなキャリアです。
● 指導者として競技の世界に残る
● 競技団体職員になる
● 飲食店経営
● 大学時代に教職過程を修了していれば教師
● 社会人チームにいた場合、そのまま運営企業の社員になる

しかし、マイナーな競技であれば
指導者で食べていけるほどの経済規模がないでしょうし、
競技団体職員になれるのは
トップクラスの成績やコネがある一握りの選手だけでしょう。
元アスリートの飲食店経営は
成功より失敗例をよく耳にします。
アスリートが全て大卒ではありませんし、
社会人チームにいても全員が
会社に残れるとは限りません。

つまり、元アスリートといえども
引退後は一般の人と同じように、
あらゆる業界・雇用体系の就労先を
転職先として当たらなければいけないのです。

しかし、ここで多くのアスリートを悩ませるのが、
「スポーツしかやってこなかった」意識です。
「競技のことしかわからないのに
採用してくれる会社があるのだろうか」と
不安に苛まれるアスリートは多く、
言ってみれば弱みとして捉えていることがわかります。

しかし、アスリートのキャリアは
ビジネスの世界では本当に
役に立たないのでしょうか。

元アスリートが社会に出た時の強みとは

アスリートが引退する平均年齢は
競技によっても異なりますが、
20代後半だと言われています。
日本プロ野球連盟が公表している
2013年の戦力外選手/現役引退選手の
平均年齢は30.5歳です。
言ってみれば普通に学校を卒業して
社会人になっていれば、
中堅としてバリバリ働いている年齢と言えます。
そんな年齢で始めて社会人になって、
ライバルたちと戦っていけるのか
不安に思うのは当然です。

しかし、たとえ短期間とは言えども
アスリートとして生計を立てていたことは、
一般の人よりもそもそもの
能力値が高いことを証明しています。
中学校の同級生で大人になって
プロアマ問わずスポーツ選手になれた人は
学年に何人いるでしょう。
下手をしたら1学年に一人もいないかもしれません。

アスリートがなぜその狭き門を突破して
スポーツで食えるようになったのか。
それには一般人より優れている以下の要素が挙げられます。

● 強靭なメンタル
● 問題解決能力
● 体力

一握りの職業アスリートに昇り詰め
地位をキープし続けるには、
目標に向かってブレずにやり遂げる
姿勢と自己管理が必須です。
そして、これには強靭なメンタルが必要になります。

結果が出なかった時に、改善計画を立て実行、
結果を分析し次の策を打つ。
いわゆるPDCAサイクルを回すことが
アスリートとして成長するには必須です。
アスリートは自分で考え実行する
問題解決能力に秀でているのです。

さらに、アスリートは当然体力に秀でています。
安定して結果を残す為には体が資本。
これはスポーツでもビジネスの世界でも同じです。

これらの3点に関して、
一般の社会人は働く中で身につけ成長していきます。
しかし、アスリートはこの3点をそもそも
高度に身につけた状態で競技活動を行なっている為、
引退後社会に出た時に基礎能力がMAXの状態です。
学校卒業して10年、20年の社会人でも、
一般人はなかなかそこまでは達しません。
アスリートに足りないのはビジネスの
実務経験だけということになります。

元アスリートが活躍できる職種

このように元アスリートは
ビジネスの領域でも素材としては一級品です。
さらにこれは日本独特の文化ですが、
徹底的な縦社会である
体育会を経験しているアスリートは、
会社内でも優秀な人材として
重宝される傾向があるようです。
一例として挙げられるのは
大学ラグビー部の補欠出身者は
新卒の就職活動で大手が決まりやすいという風潮です。
「レギュラーとして試合に出られる機会もないのに
厳しい縦社会で忍従した」のが評価されています。

企業が求める人材も変化しているので
今後も同じ風潮かはなんとも言えませんが、
アスリートが高い評価をされている現象の一つではあります。
具体的にどのような職種で活躍しているのかでしょうか。

営業職

やはり実例で目立つのは営業職です。
入社して最初に壁となるテレアポ、
飛び込みなどの過酷な営業活動は、
アスリートの強靭なメンタルで乗り越えることができます。
また、営業に欠かせない提案力はアスリート時代に培った
問題解決能力が大いに役に立ちます。
アスリートはこれらを大量に短期間にこなすための体力も備えており、
一般人より成長速度が速いです。

一見ハードルが高そうなビジネスの現場、
しかも能力が最も必要とされる「営業職」は、
アスリートが自身の競技経験を
生かすことができる職種の一つといえます。
アスリートのセカンドキャリア

教育関連職

教育業界も活躍しているアスリートが多い業界です。
アスリートは自身のレベルアップのために
明確な論理を組み上げるのに長けている人が多く、
それは子供や若者に対しても浸透しやすいです。
また、強靭なメンタルによる
指導力や管理力にも長けています。

学校の教師、塾講師を始め、
教育関連の職種で元アスリートが活躍しています。
スポーツの指導者はもちろん、
全く関係ない業界でも部下の指導やセミナー講師として
適性があるケースは多いです。
アスリートのセカンドキャリア

飲食関連職

オフィスで働くよりも、
体を動かす仕事がしたいアスリートに向いているのは
飲食関連の職種です。
声が大きく体力があるアスリートは、
特に居酒屋を運営する飲食企業で重宝されるようです。

将来的に独立の夢を持っているアスリートの場合は、
修行の一環としても有益です。
現場で元気良く働きながら
夢の実現を目指すことができます。
多数のスタッフが働く店舗のマネジメント経験を
積むことができるのもメリットです。
アスリートのセカンドキャリア

管理職

あらゆる業界で元体育会・元アスリートという
管理職をよく見かけます。
これは結果にコミットする能力が
一般人より図抜けていることが理由です。
問題解決力、強靭なメンタル、
圧倒的な体力を元手に誰よりも
短期間で集中して結果を残します。
その結果、企業から認められ
管理職に昇進するのです。

管理職になる業界は問いません。
アスリートは一般人より能力が高いので、
どの業界に行っても昇進できるスピードは早いです。
アスリートのセカンドキャリア

元アスリートが陥りやすいセカンドキャリア選択時の罠

一方で能力が高いアスリートならではの弱点もあります。
アスリートは高い能力を元にライバルたちと競う仕事です。
チームメイトですら競争相手と言えます。
そのため、「他人は関係ない」という姿勢を
持ちがちであり「情報を遮断」する傾向があります。

この姿勢は競技に集中して
自分のパフォーマンスを向上させる側面では
効果を発揮しますが、自分の競技の外に出てしまうと
マイナスのマインドになりかねません。
広く情報を集めたり他人に協力を仰ぐことが苦手なため、
セカンドキャリア形成の可能性が
どんどん狭まってしまうのです。

また、トップアスリートにありがちな失敗として
「今更誰かの下で働くのは違うから
自分で事業をやろう」というもの。
このマインドで多くのアスリートが
飲食店や事業会社を立ち上げたり出資しますが、
プロのビジネスマンがしのぎを削る領域で
素人がうまくいく可能性は極めて低いのは当然です。
アスリート時代の成功は一旦忘れる必要があります。

アスリートがセカンドキャリアにスムーズに踏み出すためにやるべきこと

理想を言えばアスリートは、
現役中にセカンドキャリアについて
情報収拾をしておくべきです。
しかし「競技生活中に辞めた後のことなど考えるな」と言う風潮が
まだまだ日本では強く、
周囲に相談できる環境は整っていません。

Jリーグやプロ野球など、
メジャーなプロスポーツにおいては
セカンドキャリアについての講習会や
サポート事業などが整いつつありますが、
スポーツ界全体で見るとまだまだ足りていない現状です。
つまり多くのアスリートは引退後に孤軍奮闘して
セカンドキャリアに取り組まなければならないのです。

アスリートが普段接するチームメイト、チーム関係者、
競技団体など近しい関係者にセカンドキャリアの相談は
しづらいケースが多いでしょう。
ですので、スポーツ関係者以外と接する機会があれば、
できるだけつながりを保っておくのが理想です。

引退後はスポーツとは全く関係ない職種に進む
可能性が極めて高いですし、
スポーツとは関係なく過ごす
人生の時間の方が長いはずです。
自分が将来働くことになる社会がどんな場所なのか、
どのような仕事があるのか、
興味を惹かれるものがあるのかなど、
完全に異業種の人の話を聞くことで
セカンドキャリアの準備が
頭の中で進んでいくことになります。

まとめ

アスリートのセカンドキャリア
アスリートの高い基礎能力があれば
ビジネスの世界でも活躍できる可能性が高いです。
一般人より成長速度も速いため、
社会人経験の不足も短期間で埋められるでしょう。
自分が引退後に進む社会のことをよく知るために、
アスリートとしてのこだわりや
尖った姿勢を脇に置いて様々な業界の人々と
交流しておくことが必要です。
“アスリートの転職はこちら”
<この記事を書いた人>
つむぎ株式会社 代表取締役社長 前田亮。静岡県立清水東高校、慶應義塾大学経済学部卒業後、新卒で株式会社船井総合研究所に入社。エンディング業界の立ち上げを行い、チームリーダー、グループマネージャーを得て、35歳で部長となり、BtoCサービス業全般を広く携わる。10億円未満の中小企業における「業績を伸ばす組織作り」をコンサルティング領域とする。「信念のあるいい会社」にもっと入り込んだお手伝いをしたいと2020年独立し、つむぎ株式会社を創業する。

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